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法律問題Q&A

法律問題Q&A

会社登記について

  1. 会社法の施行で、何が変わりますか?

    会社法の施行で、何が変わりますか?

    会社法は、最近の社会経済情勢の変化への対応等の観点から、従来いくつかに分かれていた会社に関する法律の各規定を現代的な表記に改めたうえ、体系的抜本的に見直して、さらにわかりやすく再編成し、新たな法典として創設されたものです。
    主な変更点として、

    ・有限会社を株式会社として統合
    ・最低資本金規制の撤廃
    ・機関設計の柔軟化
    ・会計参与制度の創設
    ・定款自治の拡大
    ・合同会社の創設
    ・合併等対価の柔軟化

    などがあげられます。
    会社法の活用方法は各会社の事情によって様々です。
    詳細はお近くの司法書士にご相談ください。 

  2. 会社法が施行されて、商号について、どのような見直しがありましたか?

    会社法が施行されて、商号について、どのような見直しがありましたか?

    会社法では、会社の商号について、他人が登記した商号と同一・類似の商号は、同一市区町村内において、同一の営業のために登記することができないという規制(いわゆる「類似商号規制」)を、会社設立手続を簡略化するなどの観点から、廃止しました。
    但し、規制が撤廃されたのは登記上のことで、既に同一商号・同一市区町村内において、同一の営業の会社があるにもかかわらず、後から会社を設立すれば「不正競争」に該当し、損害賠償を請求されるかもしれませんので、ご注意下さい。

  3. 有限会社はなくなるんですか?

    会社法が施行されて、有限会社がなくなったと聞きました。
    既に設立されている有限会社はどうなりますか?

    会社法が施行されて、新しく有限会社を設立することができなくなりましたが、既に設立されている有限会社は、株式会社として存続することになります。
    そのために、定款変更や登記申請など、特段の手続は必要ありません。
    ただし、有限会社法の規律と会社法の規律とでは異なる部分があるので、引続き有限会社の実質が維持されるように法律(特則)を置いて、その商号には「有限会社」の文字を用いることになっています。
    このような有限会社の文字を用いられた会社を「特例有限会社」といいます。

  4. 会社法施行で登記をしなければならないことってありますか?

    会社法施行で登記をしなければならないことってありますか?

    今まで通りの事業形態で、会社自体で変更することが無いのであれば、ほとんどの会社は、今回の会社法施行に伴って、特に登記をする必要はありません。法律によって、会社法施行以前に設立された会社には、各種の「みなし規定」が定められており、登記申請をしなくても、登記官の職権で登記がされるからです。
    ただし、一部の株式会社、特例有限会社の中には6ヶ月以内に登記申請をしなければならない場合もあります(例えばQ9参照)。ご自分の会社がそれに該当するのかどうか不安な場合は、お近くの司法書士にご相談ください。

  5. 「有限会社」を「株式会社」にするにはどうすればいいですか?

    「有限会社」を「株式会社」にするにはどうすればいいですか?

    会社法の施行前に設立された有限会社は、特例有限会社として存続することになりますが(Q3参照)このような特例有限会社が通常の株式会社に移行するためには、下記の手続きが必要になります。

    ・株主総会(旧社員総会)で定款変更決議をして商号を「株式会社」を用いたものに変更する。
     例)有限会社甲 ⇒ 株式会社甲
    ・上記の決議の日から、本店所在地においては2週間以内、支店所在地においては3週間以内に、商号変更後の株式会社について設立登記及び旧有限会社の解散登記をする。

  6. 株式会社の取締役は1名でもよくなったのですか?

    会社法では取締役が1名でもよくなったと聞きますが、その点も含め、従来と、どのような点に変更があるのでしょうか?

    (1)法的必須機関は「株主総会」と「取締役」のみ
    会社法では、株式会社の機関について、出資者が1人で設立し、会社を運営することができるようにするため、株主総会と取締役だけの会社を基本とし、株主総会および取締役1名が法定必須機関となります。
    (2)機関設計は自由
    会社法では基本的に各会社が機関設計を自由に選択することができます。(1)で述べた法定必須機関以外、例えば、取締役会、監査役、監査役会、会計参与などは定款で定めることにより、置くことができます。現在の機関設計を変更するには株主総会の決議により定款を変更する必要があります。
    (3)会社の状態、選択によって設置義務機関がある
    (2)で述べたとおり、会社法では基本的に各会社が機関設計を自由に選択することを認めていますが、一定の事由により、設置が義務付けられる機関があります。

    <基本ルール例>
    ・公開会社(※1)は、取締役会を置かなくてはなりません。
    ・取締役会を置いた会社は監査役(又は会計参与)を置かなくてはなりません。
    ・大会社(※2)は、監査役及び会計監査人を置かなくてはなりません。
    ・公開会社かつ大会社は、さらに監査役会を置かなくてはなりません。
    以上のほかにもいくつかのルールがあり、また例外も存在します。ご自分の会社がどのパターンを選択できるか(すべきか)、機関設計の変更にはどのような手続きを取ったらよいかなど、お気軽に司法書士にご相談ください。
       
    ※1 公開会社 
     株式について譲渡制限のない株式会社
     (その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社)
    ※2 大会社
     資本金5億円以上または負債の額が200億円以上の会社
     (正確には会社法第2条6号参照)

  7. 取締役の任期に変更はありますか?

    取締役の任期に変更はありますか?

    ・特例有限会社の取締役
    会社法施行前と同様で、変更はありません。
       
    ・株式会社の取締役
    取締役の任期は、原則として2年となりますが、全部又は一部の株式に譲渡制限を設けている株式会社については、定款で定めることにより選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができるようになります。

  8. 監査役の任期に変更はありますか?

    監査役の任期に変更はありますか?

    監査役の任期が、原則4年であることに変わりはありませんが、全部又は一部の株式に譲渡制限を設けている株式会社については、定款で定めることにより、取締役と同様、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで、伸長することができるようになります。また、公開会社である小会社の監査役の任期には特例がありますので、Q9も参照ください。 

  9. 監査役の職務内容に変更はありますか?

    公開会社である小会社の監査役は会社法施行で任期満了すると聞きましたが、本当なんでしょうか。

    従来の監査役は小会社・有限会社においては会計監査権限しか有さず、その他の会社では、業務監査権限及び会計監査権限を有するとされていました。
    会社法においては、原則として、大会社以外の会社で、かつ、公開会社でない会社を除き、監査役は業務監査権限及び会計監査権限を有することになりました。わかりにくい言い回しですが、つまり、公開会社である小会社の監査役は、業務権限範囲が拡大することになります。そのため、このタイプの会社の監査役の任期は、会社法施行により満了することとなりました。この取扱いに伴い、会社法施行日から6か月以内に、監査役の退任及び就任による変更の登記の申請をする必要が生じます。
    なお、会社法施行後、新たな監査役が選任されない場合には、会社法施行の日に現に監査役である者が監査役の権利義務(会計監査権限だけでなく、業務監査権限を含みます。)を有することとなりますので、ご注意下さい。
     

  10. 会計参与とは何をするのですか?

    会計参与とは何をするのですか?

    会計参与は公認会計士もしくは監査法人又は税理士もしくは税理士法人でなければなることができません。
    それらの資格を持つ者が、会計参与として、取締役と共同し、会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成します。その場合、会計参与は会社の役員ということになりますが、公認会計士・税理士等としての自己の事務所等において、計算書類等を会社とは別に保管し、なおかつ、その会社の株主や債権者から請求があった場合、これらの書類を開示する義務を負います。
    会計参与を置くには、定款にその旨の定めを設けたうえ、株主総会決議をもって選任します。会計参与を置くことにより、決算書等、計算書類の信頼性が増し、金融機関からの融資が受けやすくなるメリットがあると言われますが、実際にどの程度違いがでるのか、まだはっきりしないところがあります。
    尚、特例有限会社は、会計参与を置くことはできません。

  11. 登記事項証明書の記載事項って変わったのですか?

    登記事項証明書(会社の謄本)の記載事項が変わったと聞きました。今までのものからどのように変わったのですか?

    会社法施行に伴い、今まで登記事項証明書の記載事項でなかったことが記載されるようになったり、今まで記載されていた事項が抹消されたりすることになりました。ただ、これらの記載や抹消は、登記官の職権で行われるため、会社が新たに登記申請しなければならないということではありません。
    登記官の職権による主な登記は以下の通りです。

    1.株式会社の場合
     ・取締役会設置会社である旨
     ・監査役設置会社である旨
     ・株券発行会社である場合は、株券発行会社である旨

    2.特例有限会社の場合
     ・発行可能株式総数及び発行済株式の総数
     ・株式の譲渡制限に関する定め
     ・公告をする方法

    尚、会社法施行により、共同代表の登記の制度は廃止されたため、共同代表に関する定めの登記事項は抹消されます。

  12. 確認会社は、このまま増資をしないと5年で解散になるのですか?

    3年前にいわゆる「1円会社(確認会社)」を資本金10万円で設立しました。会社法が施行になり、資本金規制がなくなったそうですが、私の会社は何もしなくてもこのまま株式会社でいられるのでしょうか?

    確認会社は、資本金が1,000万円(有限会社の場合は、300万円)なくても、会社を設立できた代わりに、設立後5年以内に、1,000万円(有限会社の場合は300万円)に増資できない場合は、解散しなければならず、その旨を登記事項とされていました。この「解散の事由」の登記事項は、会社法施行後も抹消されることはなく、記載されています。しかし、会社法施行となり、資本金規制がなくなったため、資本金10万円であっても株式会社として存在し続けることは可能となりました。したがって、増資をしなくても、この「解散の事由」の登記を抹消することにより、会社は存続できます。設立後5年経たないうちに、「解散の事由」の抹消登記申請をしてください。 

  13. 会社の商号にはどのような文字が使用できますか?

    私は、会社の設立を予定しています。会社の名前を決めるにあたり、どのような文字が使えますか。

    使える文字は、日本文字(漢字、平仮名、カタカナ)の他、下記のとおりです。
    下記の文字の使用については、細かな使用制限があるので、司法書士にご相談下さい。
      
    (1)ローマ字 
    「ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ」
    「abcdefghijklmnopqrstuvwxyz」

    (2)アラビア数字 
    「0123456789」
         
    (3)その他の記号 
    「&」(アンパサント)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、
    「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点) 

  14. 名前だけの取締役になると問題がありますか?

    友人が会社を設立することになり、取締役が足りないらしく、「迷惑はかけないから、名前だけ貸してほしい。」と頼まれました。友人の頼みなので、力になりたいのですが、何か問題があるでしょうか。

    法的には、会社がその業務を行うにあたって第三者に損害を与えた場合に、取締役がその職務を行うに際に悪意又は重大な過失が認められるときに、取締役はこの第三者に対して損害賠償義務を負わされることになります。全く経営にタッチしないと言っても、相談者が取締役になれば、会社の登記簿に名前が記載されます。会社外部の者からは、相談者が名義上の取締役であることは分かりません。
    「名義貸し」はトラブルの元です。自分で責任の取れないことに関わるのは、やめたほうが無難です。