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法律問題Q&A

法律問題Q&A

裁判について

  1. 身に覚えのない訴えを起されても裁判所に行かなければなりませんか?

    一週間前に裁判所から貸金返還請求の訴状が送られてきました。しかし、私はその相手からお金を借りた覚えはありません。このまま無視しても大丈夫でしょうか。

    訴状が届いたら、放っておいてはいけません。
    「黙っていても裁判所は真実を発見してくれて、無実の人を救ってくれる」というものではないのです。裁判というのは原告・被告双方の言い分を聞いたうえで、どちらの言い分が正当であるか、という判断をするものですから、被告になってしまったあなたは、裁判所に対して、「まったく身に覚えがありません」と、あなたの言い分をアピールしなければなりません。
    アピールは書面で行います。原告の書面の事を「訴状」、被告の書面の事を「答弁書」と言っています。あなたが答弁書を作成して、決められた期日までに裁判所に提出しないと、裁判所は、原告の訴状だけ読んで、原告の話だけ聞いて、判断することになります。すると、原告の言うとおりの判決がされてしまいます。答弁書を出さなければ身に覚えのない裁判でも負けてしまうのです。
    自分で答弁書を書くことが不安な場合は、近くの司法書士に相談しましょう。書類作成だけを依頼して、自身で裁判所に行ってもいいですし、簡易裁判所で裁判する場合は、簡易裁判所における訴訟代理権を認められた司法書士が代理人となることができます。 

  2. お金を返してもらえないので、訴訟をしたいのですが?

    私は知人にお金を貸しています。ところがその知人は約束の日になっても返そうとしません。私は話し合いをしようと思い、連絡をしましたが、まったく取り合ってもらえません。そこでやむなく裁判をと考えていますが、裁判とはどうしたらいいものか、私はまったく見当がつきません。弁護士に頼むのもお金がかかりそうで、ためらわれます。司法書士は裁判の訴状を書いてくれるようですが、他にもできることがあるのでしょうか?どんなことをしてくれますか?

    司法書士は簡易裁判所の管轄内の事件であれば、弁護士と同じように訴訟代理人となることができます。ただし、代理業務を行えるのは法務大臣による認定を受けている司法書士に限ります。貸金の支払いを請求する場合、140万円以内であれば簡易裁判所の管轄になります。又、裁判所に提出する書面の作成も行います。この場合は金額の多寡は関係ありません。
    しかし、裁判手続がすべてではありません。貸金の額、予想される相手方の対応、緊急性、相手方の資産の状態などを総合的に判断して、どの手続を取るのが最適なのかを判断するのは意外と難しいものです。訴訟の前段階として、内容証明郵便を送付したり、支払督促手続を利用したり、訴訟外で和解交渉をしたりといくつか方法が存在します。裁判所に訴えるのはあくまで最終的な手段と言えるかもしれません。まずは、最寄の司法書士に相談してください。 

  3. 7年前に貸したお金は時効ですか?

    書類の整理をしていたら、7年前に知人に貸していた10万円の借用書が出てきました。貸した当初は何度か催促していたのですが、そのうち日々の雑事にとりまぎれ、返してもらうのをすっかり忘れていました。先日その知人に会ったときに返済を求めたら、「申し訳ないが、その借金は時効だから払う必要はないよ。」と言われてしまいました。私の貸金は時効で、あきらめなければいけませんか?

    一般の貸金の時効は10年です。ただし、知人が自営業をしていて、商売上の目的でそのお金を貸した場合には、時効が5年と短くなります。7年前に貸したということですから、あなたがどちらのケースに当てはまるかによって、時効になるかどうかが変わってきます。自分で判断しかねる場合は、借用書などの資料を持参の上、お近くの司法書士にご相談下さい。 

  4. 少額訴訟について教えてください

    少額訴訟について教えてください。

    訴訟においては、140万円までの事件は比較的「簡易」な事件ということで、地方裁判所でなく、簡易裁判所が管轄することになっています。簡易裁判所の扱う事件の中でも、さらに「少額」事件とされ、少額訴訟手続を利用することが出来る事件は、60万円以内の金銭支払請求事件とされています。ただし、60万円以内であっても、「貸した車を返して欲しい」など、求めていることが金銭給付(支払い)でない場合には少額訴訟手続は利用できません。
    少額訴訟手続は、法律の専門的知識がない方でも、訴訟手続を有効に利用して問題の解決を図れる、というものですから、通常の訴訟に比べ訴状に記載しなければならない内容が簡略化されています。特に典型的な事件については、簡易裁判所に必要事項を記載すれば出来上がる訴状のひな型が用意されていることもありますので、こちらを利用することもできます。ただ、少額訴訟手続を利用すると専門的知識がなくても訴訟手続を利用できる代わりに、通常手続において受けられたはずのいくつかの手続が受けられないことがありますので、あなたが、少額訴訟と通常訴訟のどちらの手続きを選んだ方がよいかは、司法書士に一度相談されることをお勧めします。
     
    少額訴訟を利用した場合の主な特徴 

    ●審理はラウンドテーブルで行われ、話しやすく、合意や和解が生まれやすい。
    →通常訴訟では、法廷内で原告被告の対席で行われる。

    ●原則として1回の期日で判決が言い渡される。
    →1回目の期日までに証拠等はすべて用意して、提出する。

    ●証拠書類は、訴訟期日に調べられる物(契約書、領収書、借用書、写真など)に限られ、証人尋問も当日法廷にいる者のみで行われる(ただし、法廷に来ることができない証人については電話で尋問することが可能)。
    →通常訴訟では、続行期日が定められることはよくある。

    ●裁判所は、訴えを起こした人の請求を認める場合でも、分割払いや支払猶予の判決を言い渡すことがある。その点についての不服申し立ては出来ない。
    →通常訴訟では判決で分割払いを命じることはない。

    ●必ず仮執行宣言がなされる。判決をもってすぐ強制執行手続に入ることができる。
    →通常訴訟では仮執行宣言は必ずされるわけではなく、判決が確定するまで強制執行できない。

    ●判決に対して不服がある場合も控訴はできない。そのかわり、判決をした裁判所への異議申し立てはできる。

    ●被告が少額訴訟手続を拒めば、通常手続で審理される。

    ●原告は一度少額訴訟を選択すると、通常訴訟手続きに変更できない。 

  5. 私有地上の無断駐車車両をレッカー移動してもらえないのですか?

    勤務先近くの駐車場を借りているのですが、ここ2、3ヶ月の間に、私の区画に他人の自動車が駐車していることが目立ち始めました。外出先から戻ってきて、自動車を駐車できずに業務に支障をきたしたこともあります。警察に相談しても、「駐車場は私有地なので、取り締まることはできない」という返事です。何とかならないでしょうか。

    警察に関与してもらうことはできません。今後、駐車されないように、「無断駐車禁止」等の掲示をしたり、自分の自動車を駐車しない場合はポール等を置いて、他の自動車が駐車できないようにしたり、防衛策を取る必要があります。いつも同じ自動車が駐車しているのであれば、自動車の所有者を調査して、内容証明郵便により、駐車料金等の支払いを催告するのも一つの手段です。
    ただし、いくら頭にくるからと言って、無断駐車中の自動車に傷をつけたりしないようにして下さい。 

  6. 勤務先からの突然の解雇通告は有効ですか?

    会社の上司から突然、「明日から会社に来なくていい」と言われました。最近会社の売上が落ちていたので、人員整理されたのだと思います。「どうして私が!?」という気持ちです。納得できません。

    労働者が突然解雇されると、経済的な面で生活が立ち行かなくなる恐れがあるほか、精神的にも強いショックを受けることもあります。社会政策上からも会社による突然の解雇を無制限に認めることは、ある日突然に大量の失業者を生み出すこととなりかねず、望ましいことではありません。
    労働基準法では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。また、正当事由により解雇する場合でも、解雇に関する手続として解雇予告及び解雇理由の書面通知義務を設けています。ですから、もしあなたが引き続き会社に勤務することを希望される場合は、解雇の正当事由がないことを主張して、引き続き勤務することを求め、それに会社が応じない場合は、「雇用契約上の地位確認」訴訟を提起することができます。もしあなたが、「もうあんな会社では働きたくない」という気持ちならば、解雇予告手当の支払いを請求することができます。ただ、懲戒解雇である場合は同じようにはいきません。